【登山】 5月の富士山 富士宮風ルート
【馬の背と剣ヶ峰】

ゴールデンウィークの5月上旬、春山シーズンのラストを飾るに相応しい富士山に登ってきました。
この時期(どの時期でも?)の富士山に求めるのはピークハント、おまけで下山のみ。
頂上までの過程はどうでもいいので今年も頂上に一番近い富士宮口五合目からのスタートです。
記事タイトルが「富士宮風」なのはスタートとゴール以外の大半が雪渓の直登だからです。
※このページはシーズン外の富士登山を推奨するものではありません。
【金時山と小雲海】

御殿場ICを下りてすぐ10m先も見えないくらいの濃霧に「もしかして今日は外れだったか」と思ったのも束の間、
霧を抜けてしばらくして振り向くと雲海と住宅街という異色の組み合わせに思わずバイクを止めて撮影。
低山で雲海を見ようと思ったら濃霧の早朝が狙い目なんですかね。
【富士宮口五合目】

雪は去年より多いのに何故か今年は富士山スカイラインの夜間閉鎖がなかったので去年より早めに到着
多くの観光客で賑わっていました。

駐車場から頂上の気象観測所が見えています。

今回の核心部であるスタート直後の凍結箇所を何とかクリア

出発!登山届けは予め提出してあります。
去年は6合目の先まで全く雪がありませんでした。今年はここからアイゼンを着けてしまいます。

ちょっと登ると雪が無い箇所もありましたがアイゼンは着けっぱなしで。
愛鷹山(あしたかやま)がかっこいい。
【6合目】

ここから雪山感が出てきます。
この日の登山者は20人弱位だったでしょうか。去年は100人はいたので今年は静かな山行となりました。

下のほうは土が付いてしまうので雪は結構汚い色してます。

宝永山とほぼ同じ高さまで来ました。
【新七合目 御来光山荘】

休憩せずに通過します。

踏み跡の通りに隣の雪渓に移動して直登再開

宝永山は完全に眼下へ。
この場所で既に3月に登った甲斐駒ヶ岳を超え今年一番高いところまで登った事になります。
【元祖七合目山口山荘】

少し夏道に入りここでお菓子を食べて小休止。
雪渓の上は座ると滑り落ちてしまい基本的に休憩できないので山荘が主な休憩ポイントになります。


食べ終わった頃に「餌くれ!」と人に慣れている鳥が2匹飛んできて足元をうろつき始めました。
ごめんよ、今食べ終わってしまった。
そもそも標高3000m超えたこんな場所に餌なんてあるんだろうか。この鳥、普段は何食べてるんですかね。

出発。山口山荘からはさらに隣の雪渓に移ります。
何名かそのまま直登してましたが、たぶん隣の雪渓の方が後が楽な気がします。

向こうから真っ直ぐこちらに伸びているのが私の足跡。
ここは失敗しました。まあちょっとだしいいかとストックで雪渓を横断途中、いやこれ全然ちょっとじゃないぞ!と。
ザックからピッケルを取ろうと思ったんですがバランスを崩して転倒→滑り落ちるイメージが湧いてしまいピッケルが取れず。
結局ストックのまま超慎重に渡りきりました。
写真で見ると何この程度で?と思われそうですが、いざ斜面に立ってみると小心者には厳しいもんです。

隣の雪渓へ移動中に正面に不穏な雲が


去年は「残雪期に夏道なんて邪道!」と強がって全部直登した結果、死ぬほど疲れて過去最高に厳しい登山となりました。
その反省を生かし今年は夏道も有効に使っていきます。
もちろんあまりにもジグザグの幅が長く遠回りになる場所は直登します。

下のほうから気になっていた黄色いものが見えてきました。
【池田館】

この辺りでゴム長靴の人に抜かされます。
アイゼン無しでスイスイ登って行く姿に衝撃を受けました。
そもそも足は冷えないんだろうか

さて、やっぱりテントだ!すごい、けど通りづらいぜ…

何とかテントの脇を通過して上を見てみます。
なんだろう、今年は雪の色が汚い気がします。

ズームすると頂上直下を登る人の姿
こう見ると一段と傾斜がきついのがわかりますね。


風もほとんどなくて絶好の登山日和です。

どんどん大きくなるこの雲を除いてね!


【万年雪山荘】

上空に雲が流れてきたので全部通り過ぎるまでここで小休止しました。

しかし山頂に着く前にこの雲が上がってきてしまったら全部台無しなので急ぎます。

やっぱり雪がきたn
雪山だとサングラスをしているので何が撮れているかは帰ってからのお楽しみになります。
その結果、空が真っ黒になってしまった…

実際はもっと綺麗な青い空ですよ。

あと少し

ついに鳥居の目の前まで来ました。
【富士宮口 頂上】

なんと今年は酸素が薄い感じの息切れが全く無くここまで来ることが出来ました。
スタートしてから4時間46分というのは私的にはかなり良いタイムです。
何せ去年はここまで満身創痍で6時間20分もかかってしまったので。
去年はあまりの辛さにこの鳥居をくぐった瞬間に不意に目から涙が溢れ出すという情けなさ。
それは達成感なんかでは無く、もう登らなくていいという(まだ剣ヶ峰がありますが…)安堵で泣いた初めての経験でした。
とにかく今年はかなり余力を残しての富士宮口登頂となりました。
【浅間大社奥宮】

頂上は去年のほうが雪が多いです。

こちらが去年の写真。左の灯籠なんてほぼ全部雪に埋まっています。

ちょっと屋根の上に失礼します。

見事に埋まってますね。この2ヶ月後には雪がなくなっているんだから驚きです。

剣ヶ峰の方からスキーヤー

【馬の背】

最後の急登。滑りまくる夏より登りやすいです。

【日本最高峰 富士山】

日本最高峰に到着です!
写真だと微妙ですが大迫力の火口。頑張って登って来た甲斐があるというものです。

屋根の上



雲はギリギリのところでとどまっていてくれました。


剣ヶ峰に30分ほど滞在し写真を撮りまくったら下山します。
天気に恵まれて最高の富士登山となりました。

さらば気象観測所



さらば馬の背

上の写真と比べてもらうとわかるように、この辺りは踏み跡がほとんどありません。
たぶん風の通り道になっていてすぐに足跡が消えてしまうのでしょう。


さらば鳥居

下山は日本一標高の高い滑り台に早変わり。
シリセードで楽々下山です。しかし正面には例の雲が待ち構えています。

晴天から一変、何も見えない!
数時間雲で覆われただけで雪面が固くなる、なんて事はあるんでしょうか。
雲の中はピッケルで制御しても速度が出てしまい、半ば滑落みたいな状態になってきたのでしばらく歩いて下山することに。

進む方向もあってるのかわからないのでちょっと不安になりますが気にせず再びシリセードで下ります。
まあ雪渓をとにかく下まで行ってから右に進めばOK。一応自分の居場所をたまにGPSで確認はしています。

雲を抜けました。もう安心です。あとは右にトラバースして6合目へ向かうだけ。
このトラバース中に右足からズルッと転倒しましたがピッケルがうまく刺せたので良かったです。
去年もこの辺りでシリセードから立ち上がった時に滑って、転んだ瞬間に手からピッケルがすっぽ抜けて20mほど滑るいう事がありました。
この辺りで滑っても斜度がゆるいので何事も無いですが最後まで気は抜いちゃいけませんね。

そんな感じで1時間35分で下山完了。下りは体力の消耗も無くあっという間に着いちゃいます。
以上、素人による富士登山でした。
登山道のちょっとした雪の上など相変わらず観光客で賑わっていました。
雲で全く上が見えないのは残念だったでしょうね。
雪山なんて危ないし人に勧められるものじゃないですが、やっぱり自分の足で登って見る景色は格別ですね。
富士山は眺める山とよく言われます。実際その通りですけど山頂の景色もなかなか良いものですよ。
登山はちょっと…という方もこのページで少しでも残雪の富士山頂の素晴らしさが伝われば幸いでございます。

帰り道の途中、富士山だけ雲に覆われていました。
翌日この雲は見事な笠雲になったそうです。
一度で良いから富士山にかかるレンズ雲を見てみたいですね。
【2014年9月】

写真を見返してたら3年前に登った時に笠雲っぽいものを見ていました。
終了です!

ゴールデンウィークの5月上旬、春山シーズンのラストを飾るに相応しい富士山に登ってきました。
この時期(どの時期でも?)の富士山に求めるのはピークハント、おまけで下山のみ。
頂上までの過程はどうでもいいので今年も頂上に一番近い富士宮口五合目からのスタートです。
記事タイトルが「富士宮風」なのはスタートとゴール以外の大半が雪渓の直登だからです。
※このページはシーズン外の富士登山を推奨するものではありません。
【金時山と小雲海】

御殿場ICを下りてすぐ10m先も見えないくらいの濃霧に「もしかして今日は外れだったか」と思ったのも束の間、
霧を抜けてしばらくして振り向くと雲海と住宅街という異色の組み合わせに思わずバイクを止めて撮影。
低山で雲海を見ようと思ったら濃霧の早朝が狙い目なんですかね。
【富士宮口五合目】

雪は去年より多いのに何故か今年は富士山スカイラインの夜間閉鎖がなかったので去年より早めに到着
多くの観光客で賑わっていました。

駐車場から頂上の気象観測所が見えています。

今回の核心部であるスタート直後の凍結箇所を何とかクリア

出発!登山届けは予め提出してあります。
去年は6合目の先まで全く雪がありませんでした。今年はここからアイゼンを着けてしまいます。

ちょっと登ると雪が無い箇所もありましたがアイゼンは着けっぱなしで。
愛鷹山(あしたかやま)がかっこいい。
【6合目】

ここから雪山感が出てきます。
この日の登山者は20人弱位だったでしょうか。去年は100人はいたので今年は静かな山行となりました。

下のほうは土が付いてしまうので雪は結構汚い色してます。

宝永山とほぼ同じ高さまで来ました。
【新七合目 御来光山荘】

休憩せずに通過します。

踏み跡の通りに隣の雪渓に移動して直登再開

宝永山は完全に眼下へ。
この場所で既に3月に登った甲斐駒ヶ岳を超え今年一番高いところまで登った事になります。
【元祖七合目山口山荘】

少し夏道に入りここでお菓子を食べて小休止。
雪渓の上は座ると滑り落ちてしまい基本的に休憩できないので山荘が主な休憩ポイントになります。


食べ終わった頃に「餌くれ!」と人に慣れている鳥が2匹飛んできて足元をうろつき始めました。
ごめんよ、今食べ終わってしまった。
そもそも標高3000m超えたこんな場所に餌なんてあるんだろうか。この鳥、普段は何食べてるんですかね。

出発。山口山荘からはさらに隣の雪渓に移ります。
何名かそのまま直登してましたが、たぶん隣の雪渓の方が後が楽な気がします。

向こうから真っ直ぐこちらに伸びているのが私の足跡。
ここは失敗しました。まあちょっとだしいいかとストックで雪渓を横断途中、いやこれ全然ちょっとじゃないぞ!と。
ザックからピッケルを取ろうと思ったんですがバランスを崩して転倒→滑り落ちるイメージが湧いてしまいピッケルが取れず。
結局ストックのまま超慎重に渡りきりました。
写真で見ると何この程度で?と思われそうですが、いざ斜面に立ってみると小心者には厳しいもんです。

隣の雪渓へ移動中に正面に不穏な雲が


去年は「残雪期に夏道なんて邪道!」と強がって全部直登した結果、死ぬほど疲れて過去最高に厳しい登山となりました。
その反省を生かし今年は夏道も有効に使っていきます。
もちろんあまりにもジグザグの幅が長く遠回りになる場所は直登します。

下のほうから気になっていた黄色いものが見えてきました。
【池田館】

この辺りでゴム長靴の人に抜かされます。
アイゼン無しでスイスイ登って行く姿に衝撃を受けました。
そもそも足は冷えないんだろうか

さて、やっぱりテントだ!すごい、けど通りづらいぜ…

何とかテントの脇を通過して上を見てみます。
なんだろう、今年は雪の色が汚い気がします。

ズームすると頂上直下を登る人の姿
こう見ると一段と傾斜がきついのがわかりますね。


風もほとんどなくて絶好の登山日和です。

どんどん大きくなるこの雲を除いてね!


【万年雪山荘】

上空に雲が流れてきたので全部通り過ぎるまでここで小休止しました。

しかし山頂に着く前にこの雲が上がってきてしまったら全部台無しなので急ぎます。

やっぱり雪がきたn
雪山だとサングラスをしているので何が撮れているかは帰ってからのお楽しみになります。
その結果、空が真っ黒になってしまった…

実際はもっと綺麗な青い空ですよ。

あと少し

ついに鳥居の目の前まで来ました。
【富士宮口 頂上】

なんと今年は酸素が薄い感じの息切れが全く無くここまで来ることが出来ました。
スタートしてから4時間46分というのは私的にはかなり良いタイムです。
何せ去年はここまで満身創痍で6時間20分もかかってしまったので。
去年はあまりの辛さにこの鳥居をくぐった瞬間に不意に目から涙が溢れ出すという情けなさ。
それは達成感なんかでは無く、もう登らなくていいという(まだ剣ヶ峰がありますが…)安堵で泣いた初めての経験でした。
とにかく今年はかなり余力を残しての富士宮口登頂となりました。
【浅間大社奥宮】

頂上は去年のほうが雪が多いです。

こちらが去年の写真。左の灯籠なんてほぼ全部雪に埋まっています。

ちょっと屋根の上に失礼します。

見事に埋まってますね。この2ヶ月後には雪がなくなっているんだから驚きです。

剣ヶ峰の方からスキーヤー

【馬の背】

最後の急登。滑りまくる夏より登りやすいです。

【日本最高峰 富士山】

日本最高峰に到着です!
写真だと微妙ですが大迫力の火口。頑張って登って来た甲斐があるというものです。

屋根の上



雲はギリギリのところでとどまっていてくれました。


剣ヶ峰に30分ほど滞在し写真を撮りまくったら下山します。
天気に恵まれて最高の富士登山となりました。

さらば気象観測所



さらば馬の背

上の写真と比べてもらうとわかるように、この辺りは踏み跡がほとんどありません。
たぶん風の通り道になっていてすぐに足跡が消えてしまうのでしょう。


さらば鳥居

下山は日本一標高の高い滑り台に早変わり。
シリセードで楽々下山です。しかし正面には例の雲が待ち構えています。

晴天から一変、何も見えない!
数時間雲で覆われただけで雪面が固くなる、なんて事はあるんでしょうか。
雲の中はピッケルで制御しても速度が出てしまい、半ば滑落みたいな状態になってきたのでしばらく歩いて下山することに。

進む方向もあってるのかわからないのでちょっと不安になりますが気にせず再びシリセードで下ります。
まあ雪渓をとにかく下まで行ってから右に進めばOK。一応自分の居場所をたまにGPSで確認はしています。

雲を抜けました。もう安心です。あとは右にトラバースして6合目へ向かうだけ。
このトラバース中に右足からズルッと転倒しましたがピッケルがうまく刺せたので良かったです。
去年もこの辺りでシリセードから立ち上がった時に滑って、転んだ瞬間に手からピッケルがすっぽ抜けて20mほど滑るいう事がありました。
この辺りで滑っても斜度がゆるいので何事も無いですが最後まで気は抜いちゃいけませんね。

そんな感じで1時間35分で下山完了。下りは体力の消耗も無くあっという間に着いちゃいます。
以上、素人による富士登山でした。
登山道のちょっとした雪の上など相変わらず観光客で賑わっていました。
雲で全く上が見えないのは残念だったでしょうね。
雪山なんて危ないし人に勧められるものじゃないですが、やっぱり自分の足で登って見る景色は格別ですね。
富士山は眺める山とよく言われます。実際その通りですけど山頂の景色もなかなか良いものですよ。
登山はちょっと…という方もこのページで少しでも残雪の富士山頂の素晴らしさが伝われば幸いでございます。

帰り道の途中、富士山だけ雲に覆われていました。
翌日この雲は見事な笠雲になったそうです。
【2014年9月】

写真を見返してたら3年前に登った時に笠雲っぽいものを見ていました。
終了です!
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